足部のアーチとは・・・。Ⅱ
足部のアーチについてもう一言付け加えます。
足部のアーチは、人の重心の移動に寄って変化すると言いましたが、逆に考えると足部のアーチを変化させて重心移動を行うと言うことです。
上の写真は、カパンディ(今は、カパンジーとなっています。)関節の生理学Ⅱ下肢の内足アーチのページを写したものです。
この図は、アーチの構成とアーチを形成している筋肉のベクトルを表したものですが、アーチを形成している筋肉の働きは、ただ単純にアーチのを形成しているのではなく、アーチを変化させることが出来ることを明確にしています。
何を言いたいか?
人のアーチはただ単純に体重を支えるだけのものでは無く、重心の移動と言う大きな役割を持っています。しかし、現代人(特にアジア系)は、履物の変化(わらじ、下駄>靴)、生活の変化(歩く道が土の道>アスファルトの道)によって足部のアーチのメカニズムを利用すること無く歩くことが可能となり、アーチ本来のメカニズムが退化へと進んでいると考えます。
人の足部のアーチのメカニズムは、
地球の重力と空気に支配されていると思います。要するに、体重を支え、そして地面の摩擦を利用しているメカニズムと言うことです。
真冬の凍った道路を歩く時、どうでしょうか?
人を背負って、砂浜を歩く時、どうでしょうか?
おそらく、このような状況の時には、人本来の機能(アーチのメカニズム)が発揮されるでしょう。しかし、日常に帰ると・・・。
人のこのようなメカニズムは、文明(工業化など)と共に退化しているように思います。なぜならば、立ち続けて8時間(途中休憩はありますが、)の作業も慣れれば苦にはならなくなる、このことは人の身体に省エネモードが働いているからなのです。
人だから出来ること?
いや、そうばかりとは言えないこともあるので、次回書きましょう。(発展途上国の人々が日本人と同じように、勤勉に労働時間を守り、座り続けて、立ち続けて作業をすることが出来るでしょうか?)
そして、
地球上の重力と空気、人が生きていくために必要なことです。
そのことによって生じる“人と重力の関係”、“人と摩擦の関係”を人の足部及び下肢の運動について考えたいと思います。
テーマは、
・人が重力に対抗して動く(歩く)には、どの筋肉がスタートなのか?
・人は摩擦を感じることから運動が始まる。(皮膚運動学も含んで)
こう書くと、気難しくなりますが、解りやすく書きたいと思います。